LIGHT FXで為替変動リスクをヘッジしたスワップ運用についてまとめます。
端的に言えば、リスクを抑えて10%強程度の利回りを確保できる運用方法の紹介です。
本記事はこんな人におすすめ
- スワップ投資に興味あるが高金利通貨は為替変動リスクが怖くて手が出せない
- アービトラージ取引(裁定取引)について知りたい
- スワップ投資の期待利回りを知りたい
結論(方法まとめ)
結論
LIGHT FXにてトルコリラ円(TRY/JPY)のアービトラージ取引で、
トルコリラ円の為替変動によらず、年10%強程度の期待利回り
アービトラージ取引による為替変動リスクのヘッジ
アービトラージ取引(裁定取引)とは、同一価値の商品の売買でリスクを低くしながら利ざやを得る手法です。
今回で言えば、ロング(買い)ポジションとショート(売り)ポジションを同Lot数保有(両建てといいます)することで、
為替変動によるリスクをヘッジし(なくし)、スワップポイントの差の利益を得ます。
同ポジション保有しているため、為替変動による為替差益はプラスマイナス0になります。
ロングポジションのプラスのスワップポイントとショートポジションのマイナスのスワップポイントの差分が損益となります。
LIGHT FXのLIGHTペアの特徴
LIGHT FXでは、より気軽にFXをという意図で、2023/6/24~LIGHTペアの取り扱いを開始しています。
LIGHTペアの特徴
- スプレッドやスワップポイントなどで優位性あり
- 保有可能Lot, 最大発注数量に制限あり
このLIGHTペアの優遇スワップと通常ペアのスワップの差を狙います。
普通のFX会社では、買いと売りのスワップの差は0もしくはコスト分だけ損する数字になっていますが、
LIGHT FXのTRY/JPYのみ、「TRY/JPY LIGHT」と「TRY/JPY」で差益が出る設定としているようです。
具体的には、例えば2024/7/22(月)の1lotあたりのスワップを比較すると、
「TRY/JPY LIGHT」の買いスワップ:40円
「TRY/JPY」 の売りスワップ:-38.1円
となっており、正味の1.9円が差益として得られます。
期待利回り試算結果
計算条件
- レート:5.5円/トルコリラ
- Lot:1(10,000通貨)
- スワップ差益:230円(※1)
- レバレッジ:10倍
- スプレッド:1.6
※1 2023/8/18~9/17までの買いと売りの正味金額の合算
計算結果
- 期待利回り:22%/年
- スプレッド分を取り返せるタイミング:約1.5か月
ほぼノーリスクの割には非常に高い利回りとなりました。
これは2023年9月時点での検討で、この結果を受けて自分でも試した運用結果を次に報告します。
両建てスワップ投資の運用結果
運用条件
- 口座資金:20万円
- Lot:15(150,000通貨)
- レバレッジ:7.5倍
運用結果
- 2023年10月~2024年6月の9か月間のスワップ差益:15,046円
⇒1lotあたりの1か月平均は111円 - スプレッド分を考慮した利回り:10%/年
- スプレッド分を取り返せるタイミング:約3か月
ただし、私の場合は、両建てのタイミングがよく、為替差益を確保して両建てポジションを取れたので、
年間利回りは13%の見込みとなっています。
11月からスワップ差益が減ったことで当初の想定よりは低くなりましたが、
為替差益も確保しほぼノーリスクとなったポジションから得られる利回りとしては13%は全く問題なく喜べる結果となりました。
また、TRY/JPYのレバレッジは25倍に変更されているため、下記のリスクに留意しつつもう少し利回りを上げることが可能です。
想定リスクと対処法
ノーリスクではないため、下記のリスクを想定しておくことが大切です。
想定されるリスクは、以下の2つです。
- スプレッドの急拡大
- LIGHT FXの方針転換
それぞれについて詳細と対応を次に説明します。
①スプレッドの急拡大
急な相場変動による為替の変動は両建てでヘッジできていますが、
一時的にスプレッドが拡大すると含み損が出ます。
スプレッドが拡大しやすいタイミング
- 週明けの月曜日の早朝などの取引が少ない時間帯
- 金融政策などの経済指標の発表
- 要人発言
- 戦争などの地政学リスク
上記などが瞬間的にスプレッドが拡大しやすいタイミングです。
対応としてはスプレッド拡大の際にも強制決済されないようなレバレッジのかけ方をする必要があります。
通常時のLIGHT FXのTRY/JPYのスプレッドは1.6銭程度で、私は10倍程度の16銭を見込みました。
その場合、現在TRY/JPYのレバレッジは25倍となっていることを考慮すると、最大でも12倍程度のレバレッジがよいのではないかと思います。
②LIGHT FXの方針転換
LIGHT FXが方針転換し、「TRY/JPY LIGHT」と「TRY/JPY」で差益がなくなるとこの運用は成立しません。
少なくとも、今までは差益が出ていましたが今後その方針が転換されると手じまいとなります。
それまでに、スプレッド分を取り返せないと損失が発生します。
対応としては、この有利な設定がいつまで続くかわからないため、できる限り早く始めるということが良いと思います。
留意点
注意点や留意点をまとめます。
LIGHTペアのLot数の上限
LIGHTペアは1通貨ペアで500Lotまでに制限されています。(2024年2月に300Lotから500Lotに上限引き上げ)
したがって取引できる量には制限があります。
証拠金は2倍必要となることに留意
買いと売りの両建てをするため、証拠金は2倍必要となることに留意してください。
証拠金維持率が100%以下でロスカット
LIGHT FXは証拠金維持率が100%以下でロスカットとなるため、証拠金の管理に注意が必要です。
異なるFX会社で行うより資金効率がよい
買いと売りを異なるFX会社で使い分けてさらに有利なレートを見つける手も考えられますが、
急なレート変動にも耐え得るようにそれぞれの資金を持つ必要があるため、資金効率が悪くなるためおすすめしません。
LIGHT FXでは、同一口座内の両建てで含み益、含み損が相殺されるため、余計に資金を口座に入れておく必要がなく運用効率がよくなります。
参考:他の高金利通貨の試算結果
他の高金利通貨ペアとして、メキシコペソ円(MXN/JPY)や南アフリカランド円(ZAR/JPY)においても試算しました。
トルコリラと比較するとあまり優位性はない結果となりました。
まとめ
LIGHT FXで為替変動リスクをヘッジしたスワップ運用についてまとめました。
参考になりましたら幸いです。